日本アドラー心理学振興会 認定心理療法士、認定心理カウンセラーの田中詠二こと、えいさんです! 子育て、仕事、人間関係の悩みに、心理学の観点から解決のヒントをお届けします。
「なぜ?」と過去を探すのを、やめてみる
「なぜ、私はいつもこうなんだろう?」 「なぜ、あの人はあんなことをしたんだろう?」
悩みの渦中にいる時、私たちは、その「なぜ?」という問いに囚われてしまいがちです。 まるで、過去のどこかに、今の苦しみの「原因」となっているたった一つの真実が隠されているかのように。
「親の育て方が悪かったからだ」 「過去の、あのトラウマのせいだ」
原因を見つけると、一瞬、謎が解けたような気がします。しかし、心は晴れません。 なぜなら、「過去」と「他者」は、変えることができないからです。 原因論の終着駅は、多くの場合、「だから、仕方ない」という諦めか、「あの人のせいだ」という不満だけなのです。
「何のために?」と、未来に目を向ける
アドラー心理学は、この「原因論」の呪縛から、私たちを解き放ってくれます。 そして、代わりに、こんな魔法の質問を投げかけます。
「その感情や行動は、一体、何の“目的”のためにあるのだろう?」
これは、過去(原因)ではなく、未来(目的)に目を向ける「目的論」の視点です。
例えば、「不安で、新しい挑戦ができない」という悩み。
- 原因論で考えると… 「過去に大失敗した(原因)から、不安になる(結果)」 →過去は変えられないので、挑戦を諦めるしかない、となりがちです。
- 目的論で考えると… 「新しい挑戦をしない(目的)ために、不安という感情を持ち出している」 →では、挑戦したくない本当の理由は?失敗が怖い?準備が面倒?その目的が分かれば、「じゃあ、どうすれば挑戦できるか」という未来への道筋が見えてきます。
あなたの人生を決めるのは「今のあなた」
アドラー心理学は、過去の影響を否定しません。私たちの今の性格(ライフスタイル)は、幼少期の経験を材料にして作られています。
しかし、その材料を使って、どんな家を建てるかを決めたのは、他の誰でもない「今のあなた」なのです。 過去の出来事に、どんな意味づけをするか。そして、その経験を、これからどう使っていくか。その決定権は、常にあなた自身が握っています。
もし、あなたが今、過去の出来事に囚われて苦しいのなら。 一度、自分に問いかけてみてください。
「なぜ?」ではなく、「何のために?」と。
その問いは、あなたを過去の被害者から、未来を切り拓く主人公へと変えてくれるはずです。
カウンセリングは、あなたの「目的」に光を当て、過去の意味づけを書き換え、未来へ向かう勇気を見つける旅です。 一人で答えを探すのが難しいと感じたら、ぜひ、その旅のお供をさせてください。
初回カウンセリング(オンライン)はこちらからお申し込みいただけます。

お会いできるのを楽しみにしています。
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