私が「人に頼る」ことを自分に許せるようになるまで

日本アドラー心理学振興会 認定心理療法士、認定心理カウンセラーの田中詠二こと、えいさんです! 子育て、仕事、人間関係の悩みに、心理学の観点から解決のヒントをお届けします。

私が「人に頼る」ことを自分に許せるようになるまで

会社の経営者として、そして四人の子の父親として。 僕は、ずっと「自分が、全部やらなければ」と、歯を食いしばって生きてきました。

「人に頼るのは、能力がないことの証明だ」 「弱みを見せたら、負けだ」

心の奥深くに、そんな頑なな信念(ライフスタイル)を抱えていたのです。 誰かに「手伝おうか?」と言われても、「いえ、大丈夫です」と笑顔で断ってしまう。その結果、一人で膨大なタスクを抱え込み、心身ともに疲れ果てていました。

当時の僕は、「孤軍奮闘する自分」に、どこか悲劇のヒーローのような酔いしれさえ感じていたのかもしれません。 しかし、アドラー心理学を学び、僕の世界は、180度変わりました。

「頼らない」のは、実は“傲慢”な行為だった?

僕を縛っていた呪いの正体。それは、歪んだ「優越性の追求」でした。 「誰の助けも借りずに、すべてを成し遂げる、特別な自分」でいようとしていたのです。

そして、ある日、ハッとさせられる視点に出会いました。 それは、「人に頼らない」という行為は、実は、相手から「貢献する機会」を奪っている、という考え方でした。

人は、「自分は、仲間の役に立っている」という「貢献感」を感じた時に、自らの価値を実感できます。 僕が「大丈夫です」と助けを拒むたびに、僕は、僕を助けようとしてくれた大切な仲間から、その「貢献感」という、幸福を感じる機会を奪い取っていたのです。 それは、相手を「役に立たない人」と見下す、無意識の“傲慢”ですらありました。

「頼る」とは、「信頼」の表明である

もう一つ、僕の心を軽くしてくれたのが、「課題の分離」です。

  • 助けを求めるかどうかは、「私の課題
  • その求めに応じて、助けてくれるかどうかは、「相手の課題

僕は、「断られたらどうしよう」という、相手の課題まで、勝手に背負い込んで、身動きが取れなくなっていたのです。

「人に頼る」ということは、決して「弱さ」ではありません。 それは、相手を対等な「仲間」として認め、「あなたの力を信じています」と伝える、最高の「信頼」のメッセージなのです。 そして、目の前の問題を「個人の戦い」から「二人の共同の課題」へと昇華させる、魔法の杖でもあります。


もし、あなたが過去の僕のように、「人に頼れない」という苦しさを抱えているなら。 まずは、どんなに小さなことからでも構いません。

「そこの塩、取ってくれる?」 「この仕事、少しだけ知恵を貸してくれる?」

その一言が、あなたを「孤独なヒーロー」から、仲間と協力する「幸福な普通の人」へと変える、最初の一歩になります。

カウンセリングは、あなたが「人に頼れない」というライフスタイルのルーツを探り、「頼る」という新しいスキルを、安心して練習できる場所です。 重たい鎧を脱ぎ捨てて、仲間の輪の中に飛び込む勇気を、一緒に育んでいきましょう。

初回カウンセリング(オンライン)はこちらからお申し込みいただけます。

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