「心のバリア」の正体

日本アドラー心理学振興会 認定心理療法士、認定心理カウンセラーの田中詠二こと、えいさんです! 子育て、仕事、人間関係の悩みに、心理学の観点から解決のヒントをお届けします。

人混みや騒音で疲れないための「心のバリア」の張り方

人でごった返す駅、ざわざわと響くカフェ、家族の賑やかな声…。 そんな環境にいるだけで、どっと疲れてしまうことはありませんか?

「周りのエネルギーに敏感すぎるのかな…」 「HSP(とても繊細な人)だから仕方ないのかな…」

そう感じて、外出が億劫になったり、一人の時間に閉じこもりたくなったりするかもしれません。

物理的な刺激の強さも、もちろん一因です。しかし、アドラー心理学の視点で見ると、その「疲れ」の原因は、もしかしたらあなたが無意識のうちに張っている「アンテナ」の向け方にあるのかもしれません。

あなたの「疲れ」の原因は、過剰な情報収集かもしれない

私たちは、無意識のうちに、周りの人たちの情報を常に収集しています。

「あの人は、なんだかイライラしているな」 「このグループの中で、浮いていないだろうか?」 「私、変に思われていないかな?」

このように、他人が自分をどう思っているかこの場でどう振る舞うべきか、という「他者の課題」に関する情報を、無差別に、そして過剰に集めようとしてしまう。

この「過剰な情報収集」こそが、あなたの脳と心を疲れさせ、エネルギーを奪っていく大きな原因なのです。 それは、まるで、必要もないのにたくさんのアプリを常に立ち上げているスマートフォンのようなものです。バッテリーがすぐに切れてしまうのも、当然ですよね。

「心のバリア」の正体は、“課題の分離”

では、どうすれば、この無駄なエネルギー消費を抑える「心のバリア」を張ることができるのでしょうか。 その答えが、アドラー心理学の「課題の分離」です。

「心のバリア」とは、物理的な壁を作ることではありません。 「これは、私の課題ではない」と、心の境界線をはっきりと引くことなのです。

人混みの中で、こう自分に問いかけてみてください。

  • 「隣で不機嫌そうな顔をしているあの人の感情は、私の課題だろうか?」→いいえ、相手の課題です。

  • 「私がここでどう見られているかは、私の課題だろうか?」→いいえ、私をどう評価するかは、相手の課題です。

あなたの課題は、ただ一つ。「今、ここで、自分の目的を果たすこと」です。 電車に乗ること、買い物をすること、友人とのおしゃべりを楽しむこと。 その目的だけに、意識を集中させるのです。

周りの人の感情や評価という「ノイズ」にアンテナを向けるのをやめ、自分の「目的」という「シグナル」にだけ、チャンネルを合わせる。

これが、アドラー心理学的な「心のバリア」の張り方です。

もちろん、これは練習が必要です。 最初は、つい周りのノイズを拾ってしまうかもしれません。 でも、「あ、今、他人の課題に踏み込んでるな」と気づき、そっと意識を自分の目的に戻す。 この繰り返しが、あなたを不要な疲れから守り、もっと軽やかに外出を楽しむための、最高のトレーニングになります。

もし、心の境界線を引くのが難しいと感じたら、ぜひご相談ください。 カウンセリングは、あなたの心のアンテナの感度を調整し、快適なチャンネルを見つけるための安全な場所です。

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