あなたが作り出した“盾”

日本アドラー心理学振興会 認定心理療法士、認定心理カウンセラーの田中詠二こと、えいさんです! 子育て、仕事、人間関係の悩みに、心理学の観点から解決のヒントをお届けします。


あの人がいるだけで、空気が重い

職場、ご近所、ママ友の集まり…。 その人の顔を見るだけで心がザワつき、声を聞くだけでどっと疲れる。そんな「苦手なあの人」、あなたの周りにもいませんか?

まるで自分だけを狙い撃ちするかのような、トゲのある言葉。 悪気はないのかもしれないけれど、理解しがたい行動。 月曜の朝、「またあの人に会うのか…」と思うだけで、足取りが重くなる。とてもよく分かります。

アドラー心理学では、人間の悩みはすべて対人関係の悩みである、と考えます。ですから、「苦手な人」の存在は、私たちの心を悩ませる代表選手のようなものですね。

その「苦手」、実はあなたが作り出した“盾”かもしれない

さて、ここで少し視点を変えてみましょう。 その「苦手」という感情、もしかしたら、あなた自身が何かから身を守るために、無意識に作り出している「都合のいい盾」だとしたら、どうでしょうか。

例えば、「あの人は苦手だから」という盾があれば、
・気乗りしない飲み会やランチを、角を立てずに断れる。
・難しい共同作業から、そっと距離を置くことができる。
・もし仕事がうまくいかなくても、「あの人のせいだ」という言い訳ができる。

これは、あなたが怠け者だとか、ずるいということでは決してありません。むしろ、繊細で真面目なあなたが、これ以上傷つかないようにと、無意識に作り出した自己防衛策なのです。

ただ、その盾、だんだん重くなってきていませんか? 盾を構え続けることで、かえってエネルギーを消耗してしまっているとしたら、一度その盾を置いてみる勇気も必要かもしれません。

相手は変えられない。変えられるのは「関わり方」だけ

では、どうすればいいのか。答えはシンプルです。 相手の「課題」と自分の「課題」を、きっぱりと分けること。

相手がどんな性格で、どんな機嫌で、あなたをどう評価するかは、すべて「相手の課題」です。あなたがコントロールすることはできません。相手の性格を変えようとするのは、他人の家の庭に勝手に入って、草むしりを始めるようなもの。やめておきましょう。

あなたの課題は、「その相手にどう振る舞うか」だけです。

具体的には、
・挨拶や報告・連絡・相談は、感情を込めずに「業務」として淡々と行う。
・相手を好きになろうと努力しない。「嫌いなまま」でいいと自分に許可を出す。
・「協力する」ことと「仲良くする」ことは別問題だと割り切る。

会社の利益のため、プロジェクトの成功のため、という共通の目標達成に必要な「役割」として関わる。そう考えれば、相手の人格と自分の感情を切り離して、もっと楽に関われるようになります。

私も経営者として、様々な個性を持つ従業員や取引先の方と関わってきました。全員と仲良くなるのは不可能です。しかし、全員と「協力」することはできます。大切なのは、目的のためにどう協力するか、という視点です。


「苦手な人」の存在は、あなたを悩ませるストレスの原因であると同時に、あなた自身の「対人関係のクセ」や「何を大切にしているか」を教えてくれる、貴重な鏡でもあります。

その鏡を一人で覗き込むのが怖い時、あるいは、鏡に映った自分の姿をどう解釈すればいいか分からない時、カウンセリングがお役に立てるかもしれません。今のところ、カウンセリングはオンラインのみで対応しております。

重たい盾を降ろして、もう少し軽やかに歩いてみませんか。


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