日本アドラー心理学振興会 認定心理療法士、認定心理カウンセラーの田中詠二こと、えいさんです! 子育て、仕事、人間関係の悩みに、心理学の観点から解決のヒントをお届けします。
パートナーに「わかってもらえない」苦しさ。HSP・パニック障害をカミングアウトする時に伝えたいこと
人混みに行くと、どっと疲れてしまう(HSP)、 突然の動悸や息苦しさに、襲われる(パニック障害)
その苦しさを、一番近くにいるパートナーに理解してもらえない。 「気にしすぎだよ」「気の持ちようでしょ」 そんな一言に、深く傷つき、絶望的な気持ちになってしまう…。
それは、本当に辛いですよね。 あなたの苦しみは、決して「気のせい」などではありません。
しかし、同時に、あなたの症状を経験したことのないパートナーが、その苦しさを100%理解するのが難しいのも、また事実なのです。
では、どうすれば、この「わかってもらえない」という壁を乗り越え、パートナーを「一番の理解者」に変えていくことができるのでしょうか。 それは、ただ苦しみを訴えるのではなく、「協力者」になってもらうための、上手な伝え方をすることです。
「病気を治して」ではなく「力を貸して」と伝える
まず、大切な心構えが「課題の分離」です。 あなたの症状や苦しみは、あくまで「あなたの課題」です。パートナーが、それを治すことはできません。
パートナーに求めるのは、治療者になってもらうことではありません。 あなたが、その課題を乗り越えるための「勇気」を与えてくれる、一番の味方(協力者)になってもらうことです。
その上で、次の3つのステップで、あなたの「取扱説明書」を、パートナーに伝えてみましょう。
ステップ1:「私」を主語に、事実と気持ちを伝える(Iメッセージ)
「あなたは、私のことを分かってくれない!」という非難(YOUメッセージ)ではなく、「私は」を主語にして、あなたの状況を伝えます。
「私は、人混みに行くと、たくさんの情報が一気に入ってきて、すごく疲れてしまうんだ(事実)だから、一緒にいるあなたに、イライラした態度をとってしまうことがあって、そんな自分がすごく嫌で、悲しいんだ(気持ち)」
ステップ2:症状の「目的」と「仕組み」を、正直に伝える
次に、アドラー心理学の「目的論」の視点を、少しだけ貸りてみましょう。 あなたの症状は、あなたを苦しめる「敵」であると同時に、何らかの「目的」を果たすために、あなたが無意識に作り出している「味方」でもあります。
「パニック発作は、私にとって、これ以上無理をしないための『強制停止ボタン』みたいなものなんだ。私が、あなたに『助けて』と、うまく言えない時に、体が代わりにSOSを出してくれているのかもしれない」
このように伝えることで、パートナーは、あなたを「か弱い病人」としてではなく、「困難な状況を生き抜くための、不器用な工夫をしている人」として、敬意を持って見てくれるようになります。
ステップ3:「共通の課題」として、具体的な協力をお願いする
最後に、二人で乗り越えるための「共通の課題」として、具体的なお願いをします。 「どうすれば、二人ともが楽でいられるか」という視点が大切です。
「だから、もし私が辛そうにしていたら、『大丈夫?』と心配してくれるよりも、『少し休もうか』とか『何か手伝うことある?』と、具体的な行動として力を貸してくれると、すごく助かる」 「私が発作を起こしそうになったら、背中をさすったり、一緒に深呼吸を手伝ってくれたりすると、とても心強い」
あなたの「弱さ」を見せることは、怖いことかもしれません。 しかし、その勇気こそが、パートナーとの間に、本当の信頼関係を築くための第一歩です。
あなたは、一人で戦う必要はありません。 一番身近な人を、最高の「仲間」に変えていく。 そのためのコミュニケーションを、カウンセリングで一緒に練習していきませんか。
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お会いできるのを楽しみにしています。
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