日本アドラー心理学振興会 認定心理療法士、認定心理カウンセラーの田中詠二こと、えいさんです! 子育て、仕事、人間関係の悩みに、心理学の観点から解決のヒントをお届けします。
「何もしない」をする勇気。情報過多から脳を守るデジタルデトックスのすすめ
電車を待つ数分間、仕事の休憩時間、夜、布団に入ってから…。 少しでも時間ができると、私たちは無意識にスマートフォンを手に取ってしまいます。
次から次へと流れてくるニュース、友人たちのきらびやかな投稿、鳴り止まない通知。 常に情報に接続し、「何かをしていないと不安」「乗り遅れてはいけない」と、心をすり減らしてはいませんか?
体は休んでいても、脳は情報を処理し続けて、常に興奮状態。 これでは、心が本当に休まる暇がありません。
アドラー心理学の視点では、この「何もしないことへの恐れ」は、「絶えず用心深く、安全でないと感じていることの印」だと考えます。 私たちは、何もしないでいると、何か良くないことが起こるのではないか、自分の価値が下がってしまうのではないかと、無意識に恐れているのです。
「何もしない」は、怠惰ではなく「勇気」
そこで、僕が提案したいのは、勇気を持って「何もしない」をする、という心のトレーニングです。 それは、怠惰になることではありません。 過剰な情報や、他人からの評価という刺激から、自分自身を意識的に切り離し、心を守るための、積極的な行為なのです。
難しく考える必要はありません。 まずは、一日5分からでも始めてみましょう。 僕のおすすめは、自分で淹れた一杯のコーヒーを、ただ味わうだけの時間です。
- スマートフォンは、手の届かないところに置く。
- テレビも、音楽も、消す。
- 思考を止めて、五感に集中する。
カップの温かさ、立ち上る香り、口に含んだ時の味わい、窓から見える景色、聞こえてくる生活音…。 「今、ここ」の感覚に、意識を集中させるのです。
「余白」こそが、あなたを回復させる
初めは、ソワソワして落ち着かないかもしれません。次々と仕事の心配や人間関係の悩みが頭に浮かんでくるでしょう。 それで、いいのです。
「ああ、自分は今、こんなことを考えているんだな」と、他人事のように、ただ眺めてみます。 そうすることで、あなたは、思考の渦に飲み込まれるのではなく、思考を客観的に観察する、という新しい立ち位置を手に入れることができます。
この「何もしない」という心の余白こそが、情報過多で疲れ切った脳をクールダウンさせ、あなたに、本当に大切なものは何かを気づかせてくれます。
それは、「完璧であること」よりも、「貢献すること」の大切さかもしれません。 「他人からの評価」よりも、「自分自身の納得」の価値かもしれません。
もし、あなたが「何もしない」ことに、耐えられないほどの不安や焦りを感じるなら。 それは、あなたの心が「休むことは危険だ」という、古いライフスタイル(人生の脚本)を、まだ握りしめているサインです。
カウンセリングは、その古い脚本を一緒に読み解き、「何もしなくても、あなたの価値は変わらない」という、新しい安心感を手に入れるための安全な場所です。 勇気を出して、心の電源をオフにする練習を、一緒に始めてみませんか。
初回カウンセリング(オンライン)はこちらからお申し込みいただけます。

お会いできるのを楽しみにしています。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。 LINE公式アカウントでは、今後も皆さんの日々の悩みに役立つヒントを配信していきます。ぜひ、友だち追加をしてくださいね。
コメント