「今、ここ」に意識を戻す勇気

日本アドラー心理学振興会 認定心理療法士、認定心理カウンセラーの田中詠二こと、えいさんです! 子育て、仕事、人間関係の悩みに、心理学の観点から解決のヒントをお届けします。

「また、あの発作が起きたらどうしよう…」という恐怖(予期不安)

「次の会議で、また心臓がドキドキしたらどうしよう」 「電車に乗って、あの息苦しさに襲われたらどうしよう」

まだ起こってもいない未来の出来事を想像して、強い不安や恐怖に襲われる。 これを「予期不安」と呼びます。

パニック障害などを経験された方に多く見られる、とても苦しい状態です。 まるで、未来の恐怖が、今のあなたを支配しているかのよう。

「あの場所に行くと(原因)、不安になる(結果)」と、私たちは考えがちです。 しかし、アドラー心理学では、これもまた、あなた自身が作り出している、ある「目的」を持った心理状態だと捉えます。

その不安は、未来の「課題」からあなたを守っている?

あなたが「予期不安」という道具を使うことで、達成しようとしている「目的」は何でしょうか。

それは多くの場合、「課題からの逃避」です。

会議、電車、人混み…。あなたが「怖い」と感じるそれらの場所は、もしかしたら、あなたが人生で向き合わなければならない「課題」と深く結びついているのかもしれません。

  • 会議で意見を求められ、評価されるのが怖い。

  • 満員電車という、自分の力が及ばない状況に置かれるのが怖い。

  • 他者と関わる中で、傷ついたり、拒絶されたりするのが怖い。

その「課題」と向き合う自信(勇気)がくじかれている時、私たちは「不安」や「発作」という、誰にも文句を言わせない最強の言い訳を作り出します。 そして、「不安だから、行けない」「発作が怖いから、できない」と、その課題から逃げることを、自分自身に許可してしまうのです。

「今、ここ」に意識を戻す勇気

では、どうすればこの苦しいループから抜け出せるのでしょうか。 それは、「未来」や「過去」に飛んで行ってしまった意識を、「今、ここ」に、そっと連れ戻してあげることです。

予期不安は、まだ来てもいない未来の恐怖を、まるで今起きているかのように体験している状態です。 しかし、「今、ここ」のあなたは、安全です

不安が襲ってきたら、一度、立ち止まって、深く息を吸ってみてください。 そして、五感を使って、「今、ここ」を感じてみます。

「今、目に見えるものは何だろう?」 (窓から見える雲、机の上のコーヒーカップ…)

「今、聞こえる音は何だろう?」 (時計の秒針、遠くを走る車の音…)

「今、肌で感じるものは何だろう?」 (椅子の背もたれの感触、服の柔らかさ…)

意識を「今、ここ」に戻すことで、私たちは、未来の恐怖という「架空の物語」から、現実の「安全な場所」へと帰ってくることができます。

もちろん、これは簡単なことではありません。長年の心のクセを変えるには、練習と勇気が必要です。 カウンセリングは、あなたが予期不安という「言い訳」を手放し、課題と向き合う自信、すなわち「共同体感覚」を育むための、安全な練習の場です。

未来を憂うのではなく、「今、ここ」を丁寧に生きる。 その積み重ねが、あなたを恐怖のループから解き放ち、穏やかな日常へと導いてくれるはずです。

初回カウンセリング(オンライン)はこちらからお申し込みいただけます。

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