日本アドラー心理学振興会 認定心理療法士、認定心理カウンセラーの田中詠二こと、えいさんです! 子育て、仕事、人間関係の悩みに、心理学の観点から解決のヒントをお届けします。
「あなたって、いつも〇〇よね!」が、関係を壊す理由
約束の時間に遅れてきたパートナーに、「あなたって、いつも時間にルーズよね!」と、責めてしまう。 部屋を散らかした子どもに、「あなたは、どうして、いつも片付けができないの!」と、怒鳴ってしまう。 話を聞いてくれない友人に、「あなたは、私のことなんて、どうでもいいんでしょ!」と、決めつけてしまう。
私たちが、つい使ってしまう、主語が「あなた(You)」になっているメッセージ。 これを「Youメッセージ」と呼びます。 このYouメッセージは、相手に「あなたは、ダメな人間だ」という“人格否定”のレッテルを貼るようなもの。言われた相手は、内容を反省するどころか、自尊心を守るために、反発するか、心を固く閉ざすしかなくなってしまいます。 良かれと思って伝えたはずの言葉が、気づけば、関係を修復不可能なほど、壊してしまっているのです。
主語を「私」に変えるだけで、世界は変わる
この、不毛な非難の応酬から抜け出すための、魔法のようなコミュニケーション・スキルがあります。 それが、「I(アイ)メッセージ」です。
Iメッセージとは、その名の通り、主語を「あなた」から「私(I)」に変え、自分の“感情”や“考え”、そして“お願い”を、正直に、そして誠実に伝えるコミュニケーションです。
Iメッセージは、相手を裁く「評価」ではありません。自分の心の状態を伝える、「報告」です。 だから、相手は、反発しようがありません。なぜなら、「私が、どう感じたか」は、誰にも否定しようのない、私だけの真実だからです。 これは、相手の課題に踏み込まず、自分の課題(自分の気持ち)についてのみ語る、アドラー心理学の「課題の分離」の、完璧な実践なのです。
「Iメッセージ」実践講座 – 怒りを、お願いに変える魔法
では、具体的なシーンで、「Youメッセージ」を「Iメッセージ」に翻訳する練習をしてみましょう。
- ケース1:約束を破ったパートナーに
- Youメッセージ:「あなたって、本当に約束を守らない人ね!信じられない!」
- Iメッセージ:「あなたが約束の時間に来なかったことで(客観的な状況)、私は、楽しみにしていた気持ちを踏みにじられたようで、とても悲しかった(私の感情)これからは、もし遅れる時は、一本連絡をくれると、私は、すごく嬉しいな(私のお願い)」
- ケース2:言うことを聞かない子どもに
- Youメッセージ:「いい加減にしなさい!なんで、できないの!」
- Iメッセージ:「宿題が、まだ手付かずになっているみたいだね(状況)私は、あなたが学校で困るんじゃないかと、少し心配になるんだ(私の感情)まずは5分だけでも、一緒に最初の1問をやってみない?(私からの提案)」
- ケース3:仕事を押し付けてくる上司に
- Youメッセージ:(何も言えず、不満を溜め込む)
- Iメッセージ:「〇〇という急ぎの案件を抱えておりまして(状況)、今すぐには、お引き受けするのが難しい状況です。私は、どちらも中途半半端になってしまうことを、懸念しております(私の考え)
もし、水曜日までお待ちいただけるようでしたら、私は、喜んでお手伝いできるのですが、いかがでしょうか?(私からの提案)」
本当の“自分”と、本当の“あなた”が出会うために
Iメッセージは、単なる会話のテクニックではありません。 それを実践するには、まず、自分自身の、本当の感情(特に、怒りの下に隠れている、悲しみや、寂しさといった一次感情)に、きちんと気づいている必要があります。 そして、その繊細で、傷つきやすい、ありのままの自分を、相手に正直に開示する「勇気」が、必要とされます。
その勇気ある自己開示こそが、相手の心を動かし、支配(縦の関係)ではない、本当の意味での「協力(横の関係)」を引き出すのです。 Iメッセージとは、あなたが、あなた自身の人生の主人公として、そして、相手を、対等な仲間として尊重する、という、あなたの生きる姿勢そのものなのです。
頭ではわかっていても、感情的になると、つい相手を責めるYouメッセージが出てしまう。自分の本当の気持ちが何なのか、自分でもよくわからない。そんな方も、いらっしゃるかもしれません。
カウンセリングは、あなたがなぜ、相手をコントロールしようとしてしまうのか、その背景にあるライフスタイルを探求し、あなた自身の一次感情に気づく練習をする安全な場所です。そして、Iメッセージを自在に使いこなし、大切な人との間に、温かい信頼関係を築いていくお手伝いをさせていただきます。
初回カウンセリング(オンライン)はこちらからお申し込みいただけます。

お会いできるのを楽しみにしています。
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