オンライン会議で異常に疲れる理由と、気疲れしないための効果的な工夫

日本アドラー心理学振興会 認定心理療法士、認定心理カウンセラーの田中詠二こと、えいさんです! 子育て、仕事、人間関係の悩みに、心理学の観点から解決のヒントをお届けします。

オンライン会議で異常に疲れる理由と、気疲れしないための地味だけど効果的な工夫

オンライン会議が終わった瞬間、ノートパソコンを閉じて、どっと押し寄せる疲労感…。 対面の会議とは、明らかに違う種類の、あの重たい疲れ。あなたにも、心当たりはありませんか?

私自身、カウンセリングも会社の会議もオンラインで行うことが増え、この「オンライン疲れ」の正体について、アドラー心理学の視点から考えてみました。

なぜ、オンライン会議は「異常に」疲れるのか?

その理由は、大きく二つあります。

一つは、脳が、不足した情報を補おうと、無意識にフル回転しているからです。 対面の会議であれば、私たちは相手の表情だけでなく、姿勢や身振り、呼吸、その場の空気感といった、言葉以外の膨大な情報(非言語的コミュニケーション)を受け取っています。 しかし、オンラインでは、その情報が極端に制限されます。脳は、その失われた情報を必死で推測し、相手の真意を読み取ろうと、普段以上にエネルギーを消耗してしまうのです。

そして、もう一つの、より大きな理由。 それは、私たちは、会議中、ずっと「鏡の前にいる」からです。 画面の隅に映る自分の顔。「変な顔をしていないか」「ちゃんと頷けているか」「背景は大丈夫か」
常に自分自身を監視し、評価している。この過剰な自己への関心が、私たちの心をひどく疲れさせるのです。

気疲れしないための、効果的な3つの工夫

この「疲れの正体」が分かれば、対策はシンプルです。 過剰な脳の働きを抑え、自己への関心を、目の前の「仲間」と「課題」へと切り替えてあげること。そのための、3つの工夫をご紹介します。

1. 勇気を出して「セルフビューを非表示」にする

これは、最も効果的な工夫です。ZoomやTeamsなどのツールには、自分の映像を自分だけ見えなくする機能があります。 これを、勇気を出して、オフにしてみましょう。 鏡がなくなることで、あなたは「どう見られているか」という、自分への過剰な関心から解放されます。そして、意識を、会議の「内容」と「相手」に集中させることができるのです。これは、自己への関心から、他者への関心へと切り替える、アドラー心理学の「共同体感覚」を育む、素晴らしいトレーニングになります。

2. 会議の「自分の役割」を一つに絞る

会議が始まる前に、「今日のこの会議での、私の役割(貢献)はなんだろう?」と、目的を一つだけ明確にしておきましょう。

「今日の私の役割は、Aの案件について、意見を一つ言うこと」 「今日の私の役割は、Bさんの報告を、しっかり聞くこと」

目的を絞ることで、「気の利いたことを言わなきゃ」「常に、にこやかに頷いていなきゃ」といった、不必要なタスクから自分を解放できます。自分の課題に集中することで、余計なエネルギーを使わずに済むのです。

3. 会議の前後に「何もしない時間」を意図的に作る

オンライン会議が連続していると、脳は休まる暇がありません。 会議と会議の間に、最低5分でもいいので、意識的に「何もしない時間」を作りましょう。

パソコンから離れ、窓の外を眺める。温かいコーヒーを淹れる。伸びをする。 情報を遮断し、脳をクールダウンさせることで、次の会議に、フレッシュな気持ちで臨むことができます。


「オンライン疲れ」の正体は、あなたの心の使い方のクセにあるのかもしれません。 もし、これらの工夫を試しても、人前に出ること自体に強い恐怖や疲労を感じるなら、それはあなたのライフスタイルに根差した、より深いテーマが隠れているサインです。

カウンセリングは、その根本的な原因を探り、あなたがもっと楽に、自分らしく、他者と関われるようになるためのお手伝いをする場所です。 一人で頑張りすぎず、いつでも頼ってくださいね。


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