日本アドラー心理学振興会 認定心理療法士、認定心理カウンセラーの田中詠二こと、えいさんです! 子育て、仕事、人間関係の悩みに、心理学の観点から解決のヒントをお届けします。
心に、重たい雨雲がかかる日
朝、目が覚めた瞬間から、理由もなく、心がどんよりと重たい。 普段なら気にならない、ちょっとしたことで、カチンときたり、涙が出そうになったりする。 楽しいはずの友人との会話も、心から笑えない。美味しいものを食べても、なんだか味がしない。
「ポジティブにならなきゃ」「笑顔でいなきゃ」 そう自分に鞭を打てば打つほど、心はさらに頑なになり、分厚い雨雲が、ますます垂れ込めてくる。 そして、自分の心を、自分の力でどうにもできない「コントロール不能感」と、そんな自分に対する「焦り」や「自己嫌悪」に、苛まれてしまう。 あなたにも、そんな日はありませんか。
その“不機嫌”は、あなたからの「SOS」かもしれない
「自分の機嫌くらい、自分で取るべきだ」 私たちは、いつの間にか、そんな厳しいルールを、自分に課してしまっています。 しかし、その言うことを聞かない「不機嫌」を、ただの“悪いもの”として無理やり追い出そうとするのではなく、あなたの心と身体が、あなた自身に送っている、大切な“メッセージ”として、一度、耳を澄ませてみませんか。
- メッセージ1:「もう、限界です。休ませてください」 あなたが気づかないうちに溜め込んだ、身体的な疲労や、精神的なストレスが、もうキャパシティを超えてしまった、という悲鳴なのかもしれません。
- メッセージ2:「本当は、あのことで傷ついています」 普段は平気なふりをして、心の奥底に押し込めている「悲しみ」や「怒り」といった一次感情が、「もう、蓋をしておけないよ」と、あなたに訴えかけているのかもしれません。
- メッセージ3:「何かが、間違っています」 今の仕事、人間関係、生活習慣など、あなたが「こうあるべきだ」と信じて続けていることが、実はあなたの本当の願いとはズレている、という違和感のサインなのかもしれません。
「機嫌を取る」のをやめ、「ただ、そこに“いる”」
このブログでお伝えしたい、たった一つの、そして最も大切なメッセージ。それは、 自分の機嫌を、自分で取れない。そんな日があっても、全く構わない、ということです。
自分の不機嫌な感情を、無理やりポジティブなものに「変えよう」と格闘するのを、一度、やめてみましょう。 代わりに、ただ「ああ、自分は今、機嫌が悪いんだな」「心が、雨を降らせているんだな」と、良い悪いの判断をせず、まるで空模様を眺めるように、自分の心の状態を、客観的に、そして静かに「認めてあげる」。
これこそが、アドラー心理学でいう「自己受容」の、最も深い形の一つです。 感情を無理やりコントロールしようとするのではなく、自分の感情と、ただ、嵐が過ぎ去るまで、静かに共にいてあげるのです。
“ご機嫌斜め”な自分との、上手な付き合い方
では、具体的に、そんな日はどう過ごせばいいのでしょうか。
ステップ1:自分に、「何もしなくていい」という、完全な許可を出す 生産的であること、有意義であることから、自分を解放しましょう。自分を責めるのを、意識的にやめる。「今日は、何もしない、ということを、する日だ」と、決めるのです。
ステップ2:周りに、正直に「SOS」を伝える 自分の不機見を、周りに当たり散らすのは、最も未熟な行為です。 そうではなく、「ごめん、今日はちょっと心の調子が悪くて、あまり話せないかもしれない」「そっとしておいてもらえると、すごく助かる」と、自分の状態を、正直に、そして冷静に伝えてみましょう。 これは、周りの人に「あなたのせいではないよ」と伝え、無用な憶測から解放してあげる、共同体への、誠実な貢献でもあります。
ステップ3:心が求める、最小限の“ケア”をする 無理に気分を上げようとするのではなく、「今の自分が、少しでも“マシ”になることは何だろう?」と、優しく問いかけてみましょう。 温かいお茶を飲む、好きな香りを嗅ぐ、早めにベッドに入る。その、自分を慈しむ、ささやかな行動が、心の雨雲に、小さな光を差し込ませてくれます。
自分の機嫌を、365日、完璧にコントロールできる人など、この世界のどこにもいません。 機嫌が悪い日があるのは、あなたが、真剣に、そして懸命に、自分の人生を生きている、何よりの証拠なのです。 雨が降るからこそ、その後の虹の美しさがわかるように、不機嫌な日があるからこそ、ご機嫌な日の、あの、心が晴れ渡るような感覚のありがたみが、より深く、わかるのですから。
どうしても、不機嫌な自分を許すことができず、自己嫌悪に陥ってしまう。自分の感情の波に、どう対処すればいいのかわからず、疲れ果てている。そんな風に、一人で悩んでいませんか。
カウンセリングは、あなたの「不機嫌」の裏にある、本当のメッセージを、安全な空間で一緒に読み解いていく場所です。そして、自分を責めるのではなく、ご自身の感情と上手に付き合い、自分を慈しむ方法を、具体的に学んでいくお手伝いをさせていただきます。
初回カウンセリング(オンライン)はこちらからお申し込みいただけます。

お会いできるのを楽しみにしています。
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