日本アドラー心理学振興会 認定心理療法士、認定心理カウンセラーの田中詠二こと、えいさんです！ 子育て、仕事、人間関係の悩みに、心理学の観点から解決のヒントをお届けします。
心が折れそうで、立ち上がれない夜
大きな失敗をしてしまった時。 大切な人に、拒絶されてしまった時。 必死の努力が、全く報われなかった時。
「もう、無理だ」 「自分は、なんて弱くて、ダメな人間なんだろう」 「自分には、この状況を乗り越える力なんて、どこにもない」
そう、自分の無力さに打ちひしがれ、絶望してしまう。 世界中が敵に見え、自分だけが、たった一人で、深い暗闇の中に取り残されたような、静かで、冷たい夜。 「大丈夫」なんていう、ありきたりの言葉が、空虚にしか聞こえない。あなたにも、そんな夜があるかもしれません。
あなたが「弱い自分」でいる“目的”
しかし、ここで少しだけ、視点を変えてみることをお許しください。 あなたが、自分自身を「弱い」と思い込んでいるのには、実は、ある“目的”が隠れているのかもしれません。
それは、これ以上、傷つくことから、自分自身を守るという、不器用ながらも、必死の自己防衛なのです。 「自分は弱いのだから、これ以上、難しいことに挑戦しなくても仕方がない」 「こんなに弱っているのだから、誰かが助けてくれるはずだ」 「弱い自分」でいれば、困難な課題から一時的に退避し、他者からの援助を期待することができる。それは、あなたの心が、これ以上傷つかないようにと、無意識のうちに選んだ、一つの戦略なのです。
あなたが、あなたが思うより“ずっと強い”と言える、３つの根拠
その上で、私は、あなたに、はっきりと伝えたい。 それでも、大丈夫。あなたは、あなたが思っているより、ずっと、ずっと強い、と。 これは、気休めや、根拠のない精神論ではありません。アドラー心理学に基づいた、明確な３つの根拠があります。
根拠１：あなたは、今日まで“生き抜いてきた”専門家である あなたは、これまでの人生で、数え切れないほどの困難や、悲しみ、失敗を経験してきたはずです。名前も知らないような、小さな勇気を、毎日、毎日、振り絞ってきたはずです。 そして、今、あなたは、ここにいる。その「生き抜いてきた」という、動かぬ事実こそが、あなたに「人生の課題を乗り越える力が、すでに備わっている」ことの、何よりの証明なのです。あなたは、あなた自身の人生における、唯一無二の専門家なのです。
根拠２：あなたの中には「向上したい」という炎が、まだ消えずに残っている アドラーは、人間には普遍的に**「優越性の追求」**、つまり「より良くありたい」と願う欲求がある、と考えました。 今、あなたが「自分は弱い」と悩んでいること。それ自体が、「こんなままでは嫌だ」「もっと強くなりたい」という、向上へのエネルギーが、まだ心の奥底で、小さな炎として燃えていることの証拠なのです。本当に諦めてしまった人間は、悩むことすらやめてしまいます。
根拠３：あなたは、決して“一人”ではない 人間の本当の強さは、個人の能力の高さにあるのではありません。それは、他者と「協力」できる能力の中にあります。 あなたは今、孤独だと感じているかもしれません。しかし、勇気を出して、手を伸ばせば、必ず誰かがいます。家族、友人、あるいは、私たちのようなカウンセラー。 仲間と繋がり、助けを求めることは、弱さの表れではありません。それは、共同体の中で生きていくための、最も人間的で、賢明な“強さ”なのです。
その“強さ”に、あなた自身が気づくために
では、どうすれば、自分の中に眠るその強さに、気づくことができるのでしょうか。
ステップ１：過去の「乗り越えリスト」を作ってみる これまで、あなたが乗り越えてきた困難や、成し遂げたことを、どんなに小さなことでもいいので、書き出してみてください。「初めて自転車に乗れたこと」「失恋から立ち直ったこと」「苦手なプレゼンをやり遂げたこと」。そのリストが、あなたの力の、客観的な証拠になります。
ステップ２：勇気を出して、「助けて」と言ってみる 一人で抱え込まず、信頼できる誰かに、「今、辛いんだ」と、正直に打ち明けてみましょう。助けを求めることは、あなたの強さを証明する、最も勇気ある行動の一つです。
ステップ３：誰かのために、ほんの小さな「貢献」をしてみる 自分のことで精一杯かもしれません。でも、そんな時だからこそ、意識して、誰かのために何かをしてみましょう。植物に水をやる。誰かに「ありがとう」と、心から伝える。 その小さな「貢献感」が、「自分も、まだ誰かの役に立てるんだ」という、確かな自己信頼を、あなたに取り戻させてくれます。
大丈夫。 あなたは、あなたが思っているよりも、ずっと、ずっと強く、そして、すでに多くのものを持っているのです。 そのことに、あなた自身が、まだ気づいていないだけなのですから。
どうしても、自分の強さを信じることができない。暗闇の中に、一人でいるように感じて、動けない。そんな時は、どうか一人で抱え込まないでください。
カウンセリングは、あなたが忘れてしまっている、あなた自身の「強さ」や「能力」を、過去の経験を紐解きながら、一緒に再発見していく場所です。そして、困難な状況を乗り越えるための、具体的な「勇気」を、あなた自身の中から見つけ出すお手伝いをさせていただきます。
初回カウンセリング（オンライン）はこちらからお申し込みいただけます。
お会いできるのを楽しみにしています。
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