明日から使える勇気づけリーダーシップ術

日本アドラー心理学振興会 認定心理療法士、認定心理カウンセラーの田中詠二こと、えいさんです! 子育て、仕事、人間関係の悩みに、心理学の観点から解決のヒントをお届けします。

あなたのチーム、息苦しくなっていませんか?

会議は、いつもリーダーである自分ばかりが話していて、他のメンバーは下を向いている。 部下は、指示されたことしかやらず、新しい提案や自発的な行動が、全く見られない。 ミスが起きると、犯人捜しが始まり、チーム内には、責任のなすりつけ合いの、嫌な空気が流れる。

もし、あなたのチームが、こんな風に息苦しくなっているとしたら。 それは、個々のメンバーの能力や、やる気の問題ではないのかもしれません。 もしかしたら、リーダーであるあなた自身の「関わり方」が、無意識のうちに、メンバーの「勇気」をくじいてしまっている結果ではないでしょうか。

リーダーの仕事は「管理」ではなく「勇気づけ」である

多くのリーダーが、「リーダーの仕事は、部下を管理し、目標を達成させることだ」と、考えています。 しかし、アドラー心理学が考えるリーダーの最も重要な仕事は、たった一つ。 「メンバーを勇気づけること」です。

勇気づけとは、メンバー一人ひとりが、 「自分には価値がある」 「自分はこのチームに貢献できる」 「自分には困難を乗り越える力がある」 と、心から信じられるように、援助することです。

メンバーが勇気づけられれば、モチベーションも、主体性も、チームワークも、結果として後からついてきます。リーダーの仕事は、馬の首を無理やり水飲み場に向かせることではなく、馬自身が「水を飲みたい」と、自ら歩き出すのを、援助することなのです。

明日から使える、3つの「勇気づけ」スキル

では、具体的に何をすればいいのでしょうか。明日からすぐに使える、3つのシンプルなスキルをご紹介します。

スキル1:「ヨコの関係」で話す – “評価”をやめ、“感謝”を伝える

  • NG例(縦の関係):「〇〇君、この資料よくできてるな。すごいじゃないか」(上からの評価)
  • OK例(横の関係):「〇〇君、この資料のおかげで、クライアントへの説明がすごくスムーズにいったよ。本当にありがとう。助かった

人は、評価されると「次も評価されなければ」とプレッシャーを感じます。しかし、貢献に対する感謝を伝えられると、「自分は役に立てた」という「貢献感」が満たされ、内側から、もっと貢献したいという意欲が湧いてくるのです。

スキル2:「失敗」を“学びの機会”に変える

  • NG例(原因追及):「なんで、こんなミスをしたんだ!原因を報告しろ!」
  • OK例(未来志向):「大変だったね。まずは、この状況をリカバリーするために、どうしたらいいか一緒に考えようか。そして、この貴重な経験から、次に活かせることは何だろう?」

失敗を罰すれば、部下はミスを隠すようになります。失敗を「共同体の共有財産」として、未来の成功のための**「学び」**に変える姿勢を見せることで、チームは挑戦を恐れない、心理的に安全な場所になるのです。

スキル3:「信頼」して“任せる” – 究極の勇気づけ

  • NG例(マイクロマネジメント):「その仕事、こまめに進捗を報告して。やり方は、私が指示する通りに」
  • OK例(課題の分離と信頼):「このプロジェクト、君に任せたい。君ならできると信じている。やり方は、君の裁量に任せるよ。もちろん、何かあればいつでも相談してほしい。責任は私が取る

部下の課題に、過剰に介入しない。失敗する権利も含めて、部下の力を信頼して任せること。この「信頼」こそが、「あなたには力がある」という、最もパワフルな勇気づけのメッセージになるのです。

リーダー自身が、最も“勇気づけ”を必要としている

最後に、忘れてはならないこと。 リーダーとは、常にプレッシャーにさらされ、孤独な決断を迫られる、非常に困難な役割です。だからこそ、リーダーであるあなた自身が、自分を勇気づける術を知っている必要があります。

完璧なリーダーなど、どこにもいません。「不完全である勇気」を持ち、時には自分の弱さをチームに開示し、助けを求めること。それもまた、チームとの信頼関係を深める、勇気ある行動なのです。


理論はわかっていても、いざとなると、つい部下を叱責したり、細かく管理したりしてしまう。メンバーを心から信頼することが、どうしても怖い。そんな、リーダーとしての悩みを、一人で抱えていませんか。

カウンセリングでは、あなたがなぜ部下を信頼できないのか、その背景にあるあなた自身のライフスタイルを見つめ直します。そして、あなたの職場やチームの具体的な状況に合わせて、明日から使える「勇気づけ」のコミュニケーションを、一緒に考え、練習していきましょう。

初回カウンセリング(オンライン)はこちらからお申し込みいただけます。

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