日本アドラー心理学振興会 認定心理療法士、認定心理カウンセラーの田中詠二こと、えいさんです! 子育て、仕事、人間関係の悩みに、心理学の観点から解決のヒントをお届けします。
過去のトラウマにさよなら。インナーチャイルドを癒すためのジャーナリング(書く瞑想)
大人になった今でも、ふとした瞬間に、過去の辛い記憶が蘇ってくる。 まるで、心の中に、傷ついておびえたままの「小さな自分(インナーチャイルド)」がいて、今のあなたの足を引っ張っているような感覚…。
「あの経験さえなければ、もっと違う人生だったのに」 そうやって、過去の「トラウマ」に、心を縛られていませんか?
その苦しみは、本物です。しかし、アドラー心理学は、その苦しみから抜け出すための、全く新しい光を投げかけてくれます。 それは、「過去の出来事が、今のあなたを『決定』しているわけではない」という、希望に満ちた視点です。
「トラウマ」は、存在しない?
アドラー心理学では、過去の出来事が直接的な原因となって、現在の問題(結果)を引き起こしている、とは考えません(原因論の否定)どんなに辛い経験であったとしても、その出来事に対して「どんな意味づけをするか」そして、その経験をこれからどう「利用するか」を決めているのは、「今のあなた」自身なのです(目的論)
つまり、「傷ついたインナーチャイルド」とは、過去の辛い状況を生き抜くために、あなたが無意識に作り上げた「人生の物語(ライフスタイル)」の主人公なのです。その物語が、今のあなたを生きづらくさせているのかもしれません。
だとしたら、その物語を、あなた自身の力で、新しい物語へと書き換えていくことができます。 そのための、最も安全でパワフルな方法が、「ジャーナリング(書く瞑想)」です。
「書く瞑想」で、過去の自分と対話する3つのステップ
静かな場所で、ノートとペンを用意してください。そして、あなたの心の中にいる「小さな自分」に、手紙を書くように、語りかけてみましょう。
ステップ1:過去の自分に、深く共感する
まずは、その子が感じていたであろう感情を、そのまま受け止め、共感の言葉をかけます。
「〇〇(子供の頃の自分)へ。あの時、とても怖かったね。寂しかったね。誰も分かってくれなくて、本当に辛かったね。よく、一人で耐えてきたね」
評価や分析は一切せず、ただ、その子の気持ちに寄り添い、承認してあげる。これが、癒しの第一歩です。
ステップ2:その子の「生き残り戦略」に感謝する
次に、その子が、その困難な状況を生き抜くために、どんな「工夫(生き残り戦略)」をしていたかを認め、感謝します。
「周りの顔色をうかがうことで、あなたは、自分の安全を守ってきたんだね。ありがとう」 「『良い子』でいることで、あなたは、自分の居場所を必死に作ろうとしていたんだね。ありがとう」
あなたが今まで「短所」だと思っていた性格は、かつて、あなたを守るために必死に頑張ってくれた「長所」だったのです。この視点が、自己嫌悪を、自己受容へと変えていきます。
ステップ3:「今の自分」が、主導権を握ることを宣言する
最後に、今の「大人のあなた」が、もう大丈夫だと、力強く宣言します。
「今まで、一人で頑張ってくれて、本当にありがとう。でも、もう大丈夫。これからは、大人の私が、あなたのそばにいる。私が、あなたを守るから。もう、無理して良い子でいなくてもいい。もう、周りの顔色をうかがわなくてもいい。一緒に、新しい人生を歩いていこう」
これは、過去のライフスタイルとの決別であり、新しい人生を自分の意志で選び直す「再決断」の儀式です。
このジャーナリングは、一度で終わるものではありません。 何度も、何度も、あなたの心の中の「小さな自分」と対話を重ねることで、あなたの「人生の物語」は、少しずつ、しかし確実に、悲劇から希望の物語へと書き換えられていきます。
もし、一人で過去と向き合うのが怖いと感じたら。 カウンセリングは、あなたが安心してその対話に臨めるよう、隣で寄り添い、サポートする場所です。 あなたは、あなたの人生の、最高の脚本家になれるのですから。
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お会いできるのを楽しみにしています。
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