「不安」という霧の中で、道を見失いそうなあなたへ

日本アドラー心理学振興会 認定心理療法士、認定心理カウンセラーの田中詠二こと、えいさんです! 子育て、仕事、人間関係の悩みに、心理学の観点から解決のヒントをお届けします。

「不安」という霧の中で、道を見失いそうなあなたへ

「もし、失敗したらどうしよう…」 「きっと、うまくいかないに違いない…」 「これから先、どうなってしまうんだろう…」

まだ起こってもいない未来のことを考えて、不安という濃い霧に包まれ、身動きが取れなくなってしまう。 そんな感覚に、覚えはありませんか?

不安の渦中にいる時、私たちは、まるで自分と不安が一体化してしまったかのように感じます。 しかし、その霧から抜け出し、心を軽くするための、とてもシンプルで強力な方法があります。 それが、「不安を客観視する」ということです。

あなたの不安は、あなた自身ではない

アドラー心理学の視点から見ると、不安は「あなた」そのものではありません。 あなたが、何らかの「目的」のために、無意識に作り出し、使っている「道具」なのです。

多くの場合、その目的は「人生の課題から逃れること」 失敗して傷つくくらいなら、挑戦しない方がいい。その「挑戦しない」という目的のために、「不安だから動けない」という言い訳を作り出しているのかもしれません。

このからくりに気づくだけでも、少しだけ、不安との間に距離が生まれるはずです。 今日は、その距離をさらに広げ、不安を客観視するための具体的な方法を2つ、ご紹介します。

1. 不安に「名前」をつけて、キャラクター化する

あなたの心の中に現れる不安に、名前をつけてみませんか? 例えば、「心配性のタナカさん」とか「不安オバケ」とか、なんでも構いません。

そして、不安が襲ってきたら、こう呟いてみるのです。 「おや、心配性のタナカさんが、また何か言いに来たな」 「不安オバケくん、こんにちは。今日はどうしたんだい?」

このように、不安をまるで一人のキャラクターのように扱うことで、あなたは「不安に飲み込まれている自分」から、「不安というお客さんを観察している自分」へと、立ち位置を変えることができます。

お客さんならば、その言い分を冷静に聞いてあげることもできます。 「なるほど、あなたは、私が失敗するのが怖いんだね。教えてくれてありがとう。でも、やるかやらないかを決めるのは、私自身なんだ」 この対話が、あなたに主導権を取り戻させてくれます。

2. 「事実」と「あなたの物語」を書き分ける

次に、紙とペンを用意してください。 そして、あなたが不安に思っていることを、「事実」と「あなたの物語(解釈)」に、はっきりと書き分けてみるのです。

例えば…

  • 事実:明日、大事なプレゼンがある。
  • あなたの物語:きっと、しどろもどろになって、大失敗する。みんなに笑われて、評価が下がるに違いない。

こうして書き出してみると、あなたを苦しめているのが、変えようのない「事実」ではなく、あなた自身が作り上げた、ネガティブな「物語」の方であることが、はっきりと見えてきます。

物語ならば、書き換えることが可能です。 「大成功する!」と無理に思い込む必要はありません。 ただ、「これは、数ある可能性の一つに過ぎない、私の創作ストーリーなんだな」と認識するだけでいいのです。 それだけで、物語の呪縛は、少しだけ弱まるはずです。


不安は、なくそうとすればするほど、大きくなる性質を持っています。 戦うのではなく、まず、その正体を客観的に知ること。

それは、あなたに何かを知らせようとしている、不器用なメッセンジャーなのかもしれません。 その声に耳を澄まし、上手に付き合っていく方法を、一緒に見つけていきませんか。

カウンセリングは、あなたの不安という霧の中に、一筋の光を灯し、進むべき道を照らし出すお手伝いをする場所です。 一人で抱え込まず、いつでも頼ってくださいね。

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