日本アドラー心理学振興会 認定心理療法士、認定心理カウンセラーの田中詠二こと、えいさんです! 子育て、仕事、人間関係の悩みに、心理学の観点から解決のヒントをお届けします。
食べることが、怖い。その心の奥にある、本当の願い
食べること、そして、自分の体重や体型。 そのことで頭がいっぱいになり、心と体が悲鳴をあげている。 食べるのが怖くなったり、逆に、食べだしたら止まらなくなったり…。
摂食障害は、ご本人にとって、本当に苦しく、孤独な戦いです。 周りからは「体型の問題」「意志の弱さ」と誤解されがちですが、アドラー心理学では、その行動の裏には、もっと切実な「心の叫び」と「目的」が隠れていると考えます。
それは、声なき「SOS」かもしれない
摂食に関する問題は、実は「食べ物」そのものが問題なのではありません。 それは、あなたが世界と関わるための、一つの「表現方法」であり「道具」なのです。
では、その「道具」を使って、何を表現しようとしているのでしょうか。
- コントロールできない人生で、唯一コントロールできるという感覚 人生が自分の思い通りにならないと感じる時、せめて自分の身体や食事だけは、自分で管理したい。その切実な願いが、過度な食事制限やコントロールに繋がることがあります。
- 言葉にできない、誰かへのメッセージ 時に、摂食障害は、家族など身近な人への強力なメッセージになります。例えば、過度に「食」や「体型」に価値を置く家庭への、無言の抵抗や復讐である場合もあります。 心の叫びを、身体が代わりに表現しているのです。
- 「痩せていなければ、私に価値はない」という信念 学校や社会などのコミュニティで、「ここにいていいんだ」という所属感を得るために、「痩せていること」が絶対条件だと信じ込んでいる場合があります。 まるで、自分の価値が、体重計の数字だけで決まるかのように。その心の奥では、容姿以外の部分で自分に自信が持てず、「勇気がくじかれている」のです。
「食べる・食べない」の話は、しない
だから、アドラー心理学のカウンセリングでは、「食べなさい」とか「吐くのをやめなさい」といった、症状そのものを解決の目標にすることはありません。 それは、あなたとの新たな「支配・被支配」の関係を生むだけで、根本的な解決にはならないからです。
私たちが目指すのは、全く違うゴールです。 それは、あなたが、体重や体型以外のところに、ご自身の価値と魅力を見出すこと。 そして、食べ物という苦しい道具を使わなくても、自分の気持ちを言葉で伝え、大切な人と良い関係を築けるようになることです。
あなたは、優しいところ、面白いところ、賢いところ、誰かのために一生懸命になれるところ…たくさんの素晴らしい力を持っています。その一つひとつを見つけ出し、光を当て、「自分は、そのままで、ここにいていいんだ」「仲間の役に立てるんだ」という感覚(共同体感覚)を育んでいく。 そのための「勇気づけ」を、私たちは何よりも大切にします。
もし、あなたが「食」との戦いに疲れ果ててしまっているなら。 その戦いの鎧を、一度、安全な場所で脱いでみませんか。 戦うことよりも、ずっとあたたかく、あなたを幸せにしてくれる道が、必ずあります。
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お会いできるのを楽しみにしています。
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