人からどう見られているか、気にならなくする方法はありますか?

日本アドラー心理学振興会 認定心理療法士、認定心理カウンセラーの田中詠二こと、えいさんです! 子育て、仕事、人間関係の悩みに、心理学の観点から解決のヒントをお届けします。

あなたの心に住む、たくさんの“裁判官”

会議で発言した後、「今の言い方、ちょっと偉そうに聞こえなかったかな…」と、後からずっと反芻してしまう。 新しい服を着て出かけた日、「周りから、似合わないって思われてるかも…」と、一日中そわそわしてしまう。 SNSに何かを投稿する時、何度も文章を書き直し、投稿した後も、誰かから否定的なコメントが来ないかと、ビクビクしてしまう。

私たちの心の中には、まるで「他者の目」という名の、たくさんの“裁判官”が住んでいるかのようです。そして、その裁判官たちが、私たちの一挙手一投足を監視し、常に「有罪」か「無罪」かの評価を下している。 この、終わりのない裁判に、私たちは心底疲れ果ててしまっているのではないでしょうか。

なぜ、あなたは“他人の目”に怯えるのか?

そもそも、なぜ私たちは、これほどまでに他者の評価に敏感になってしまうのでしょうか。 それは、私たちが「他者から承認されて、初めて自分の価値を感じられる」という、不自由な生き方(ライフスタイル)を、知らず知らずのうちに選択してしまっているからです。

これは、自分の価値を決める「決定権」を、自分ではなく、他人に完全に明け渡してしまっている状態です。 他人の評価が、あなたという人間の存在価値そのものと直結しているため、その評価が少しでも揺らぐことを、死ぬほど恐れてしまうのです。

しかし、ここで少し厳しい、けれども、あなたの心を軽くするかもしれない事実をお伝えします。 それは、「あなたが思うほど、誰も、あなたのことなど気にしていない」ということです。 他者は、その他者自身の人生の主人公であり、その物語に必死です。私たちは、その他者の物語においては、脇役ですらない、ただの通行人Aくらいの存在なのかもしれないのです。

最強の護身術、「課題の分離」

この、人目が気になるという苦しみから抜け出すための、最もシンプルで、強力な方法。それが、アドラー心理学の「課題の分離」です。

はっきりと、境界線を引いてみましょう。

  • あなたが、どんな人間であるか。あなたが、どう振る舞うか。それは、あなたの課題です。
  • あなたのことを見て、他者がどう評価するか。好きになるか、嫌いになるか。それは、完全に他者の課題です。

あなたがコントロールできない、他者の課題にまで、土足で踏み込もうとするから、苦しくなるのです。 「嫌われたらどうしよう」と不安になるのは、相手の課題に介入している、何よりの証拠です。 あなたがやるべきことは、ただ一つ。他者がどう思うかではなく、あなたが、あなた自身の人生に誠実であること。ただ、それだけなのです。

「自分への関心」から「他者への貢献」へ

「課題の分離」を実践するための、具体的な心のスイッチの切り替え方があります。 それは、意識のベクトルを、内側(自分)から、外側(他者)へと、180度転換させることです。

「人からどう見られているか」を気にしている時、あなたの関心は、100パーセント**「自分」**に向いています。常に鏡を見て、自分の表情や服装をチェックしているような状態です。 その鏡から、一度、目を離してみましょう。 そして、こう問いかけるのです。

「自分は、目の前のこの人に、今、何ができるだろうか?」と。

これが、「他者への貢献」への、意識のシフトです。

  • 会議で: 「変に思われたらどうしよう」ではなく、「どうすれば、この会議がより良くなるための、建設的な意見を一つでも言えるだろうか?」と考える。
  • 飲み会で: 「つまらないと思われたらどうしよう」ではなく、「どうすれば、この人が気持ちよく話せるように、良い聞き役になれるだろうか?」と考える。
  • プレゼンテーションで: 「うまく話せるだろうか」ではなく、「どうすれば、この聞き手にとって、一番役に立つ情報を、心を込めて届けられるだろうか?」と考える。

「貢献感」、つまり「自分は、この共同体の役に立っている」という感覚こそが、他者の評価に依存しない、揺るぎない自己価値の感覚を、私たちに与えてくれます。 「どう見られるか」という不安は、「役に立ちたい」という勇気の前では、驚くほど、小さくなっていくのです。


頭ではわかっていても、長年の癖で、人目が気になって、どうしても行動できない。課題の分離が、うまくいかない。そんな風に悩んでしまうこともあるでしょう。

カウンセリングは、あなたがなぜそれほどまでに他者の評価を恐れてしまうのか、その背景にあるライフスタイルを安全な空間で一緒に探求する場所です。「自己への関心」から「他者への関心」へと心のベクトルを切り替えるための具体的なトレーニングを、伴走者としてサポートさせていただきます。


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