日本アドラー心理学振興会 認定心理療法士、認定心理カウンセラーの田中詠二こと、えいさんです! 子育て、仕事、人間関係の悩みに、心理学の観点から解決のヒントをお届けします。
対人関係が楽になるアサーティブコミュニケーション入門
「言いたいことが言えずに、後で一人でモヤモヤしてしまう…」 「つい、カッとなってキツい言い方をしてしまい、自己嫌悪に陥る…」
大切な人との間で、こんな風に、極端なコミュニケーションになってしまうことはありませんか? 自分の気持ちを押し殺して我慢するか、逆に、感情的に気持ちを爆発させてしまうか。 どちらも、後味の良いものではなく、関係をこじらせる原因になりがちです。
今日は、この両極端ではない「第3の道」である、アサーティブコミュニケーションについてお話しします。
あなたのコミュニケーションはどのタイプ?
私たちの自己表現のスタイルは、大きく3つに分けられます。
- 攻撃的(アグレッシブ) 「私が正しくて、あなたが間違っている」というスタンス。自分の意見や気持ちを一方的に押し付け、相手を支配しようとします。これは、相手より上に立とうとする「縦の関係」です。
- 非主張的(ノンアサーティブ) 「波風を立てるくらいなら、私が我慢すればいい」というスタンス。自分の気持ちを押し殺し、相手に合わせることで、対立を避けようとします。これも、自分を相手より下に置く「縦の関係」の一種です。
- 主張的(アサーティブ) 「私の気持ちも大切だし、あなたの気持ちも大切だ」というスタンス。相手に敬意を払いながら、自分の意見や気持ちを、誠実に、正直に伝えます。これこそが、アドラー心理学が目指す、対等な「横の関係」のコミュニケーションです。
アサーティブであることは、「わがままを言う」ことでも「相手を論破する」ことでもありません。 お互いを尊重し、より良い関係を築くための、誠実で勇気ある対話なのです。
アサーティブになるための、はじめの一歩。「私」を主語にしてみよう
では、どうすればアサーティブに伝えられるのでしょうか。 そのための、シンプルで強力なトレーニングが「私メッセージ(アイメッセージ)」です。
これは、「あなた」を主語にして相手を責めるのではなく、「私」を主語にして、自分の気持ちや状況、そしてお願いを伝える方法です。
【よくある「あなたメッセージ」】 「あなたは、どうしていつも約束の時間に遅れてくるの!」 →これは、相手を非難するメッセージです。
【アサーティブな「私メッセージ」】 「(私は)あなたが時間通りに来てくれると、とても安心するし、嬉しいな」 「(私は)待っている間、何かあったのかと心配になるから、もし遅れそうなら一本連絡をくれると、すごく助かるんだけど、お願いできるかな?」
主語を「私」に変えるだけで、非難の響きが消え、相手もあなたの気持ちを受け取りやすくなります。
アサーティブコミュニケーションは、一度身につければ、あなたの人間関係を驚くほど楽にしてくれる「一生モノの技術」です。 しかし、長年の心のクセを変えるには、練習と勇気が必要です。
カウンセリングは、あなたが安心してこの新しいコミュニケーションを練習し、自信を持って一歩を踏み出すための、安全な場所です。 自分の気持ちも、相手の気持ちも大切にできる、そんなあたたかい関係作りを、一緒に始めてみませんか。
初回カウンセリング(オンライン)はこちらからお申し込みいただけます。

お会いできるのを楽しみにしています。
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