日本アドラー心理学振興会 認定心理療法士、認定心理カウンセラーの田中詠二こと、えいさんです！ 子育て、仕事、人間関係の悩みに、心理学の観点から解決のヒントをお届けします。
「どうせ…」という、心を縛る“呪文”
「どうせ、私なんて、あの人みたいにうまくはできない」 「どうせ、こんなことを一生懸命やっても、誰も評価してくれない」 「どうせ、また失敗するに決まってる」
この、「どうせ…」という一言。 あなたの心に、ふと、よぎることはありませんか。 この言葉は、私たちの可能性の芽を、それが始まる前に摘み取ってしまい、未来への扉を、固く閉ざしてしまう、非常に強力な“呪文”です。 そして、この呪文を唱え続ける限り、私たちの人生は、本当に「どうせ、こんなものだ」で、終わってしまうのです。
あなたが「どうせ」と言ってしまう、本当の理由
では、なぜ私たちは、この不便で、自分を無気力にさせる呪文を、何度も唱え続けてしまうのでしょうか。 アドラー心理学の「目的論」の視点から見ると、あなたが「どうせ」と言うのには、明確な“目的”があります。 それは、「挑戦して、傷つくことから、自分を守るため」です。
「どうせ、うまくいかない」と、あらかじめ予防線を張っておけば、もし本当にうまくいかなくても、「ほら、やっぱりね」と、心のダメージを最小限に抑えることができます。 「どうせ、自分なんて」と、自分の価値をあらかじめ低く見積もっておけば、大きな期待をされることもなく、プレッシャーのかかる場面から、巧みに逃れることができます。
つまり、「どうせ」という言葉は、あなたの繊細な心を守るための、不器用で、いじらしい“鎧”のようなものなのです。
「どうせ」の矢印が指し示す、あなたの“宝の地図”
しかし、ここで、全く新しい視点を提案します。 その、あなたを縛っている呪文は、見方を変えれば、あなたの未来を輝かせるための“魔法の言葉”に変わるのです。
考えてみてください。あなたは、全く興味のないことに対して、「どうせ」とすら思うでしょうか。思いませんよね。 わざわざ「どうせ、〇〇なんてできない」と言うのは、その〇〇に対して、あなたの関心と劣等感、そして、「本当は、できるようになりたい」という、強い“願い”がある、何よりの証拠なのです。
つまり、「どうせ」という言葉は、あなたがこれから成長できる可能性のある場所、すなわち、あなたの「伸びしろ」のありかを、正確に指し示してくれている、宝の地図なのです！
呪文を“魔法”に変える、口癖リフレーミング術
さあ、今日から、あなたを縛る“呪文”を、あなたを未来へと導く“魔法”に変える、簡単な実験を始めてみましょう。
トレーニング１：「どうせ、私なんて…」を、「私には、まだ〇〇という“伸びしろ”がある！」に変換する
- 例：「どうせ、私なんて、人前で話すのが下手だから…」
- 変換後→「私には、まだ『人前で、堂々と、自分の思いを伝える』という、素晴らしい“伸びしろ”があるんだな！」
トレーニング２：「どうせ、やっても無駄…」を、「どうしたら、これを“面白く”できるだろう？」に変換する
- 例：「どうせ、この単調な作業をやっても、誰も見てないし、無駄だよな…」
- 変換後→「よし、この作業を、どうしたらゲーム感覚で、少しでも“面白く”できるか、作戦を立ててみよう！」
トレーニング３：「どうせ」と言いそうになったら、物理的に口をつぐみ、「さて、」と言う
- 「どうせ…」という、下降のスパイラルの入り口に立ったら、ぐっと口をつぐんで、意識的にこう言ってみてください。「さて、」と。
- 「さて、この状況で、今の自分にできる、一番小さな、最初の一歩は、何だろう？」 この一言が、あなたの思考を、過去への諦めから、未来への具体的な行動へと、強制的にシフトさせてくれます。
この言葉の魔法は、単なるポジティブシンキングではありません。 それは、自分を縛る“呪い”を、自分を未来へと導く“コンパス”へと、自らの意思で意味づけし直す、主体的な行為なのです。
長年の「どうせ」という口癖は、もはや自分の一部になっていて、なかなか変えられない、と感じるかもしれません。「伸びしろ」だと言われても、どうしても行動する勇気が出ない、ということもあるでしょう。
カウンセリングでは、あなたがなぜ「どうせ」という言葉で自分を守ってしまうのか、その根深いライフスタイルを安全な空間で一緒に探求します。そして、その不便な呪いを解き放ち、あなたの持つ無限の「伸びしろ」を、具体的な行動へと変えていくための「勇気づけ」を、伴走者として行います。
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お会いできるのを楽しみにしています。
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