親の課題は「淡々と、信頼して手放す」こと

日本アドラー心理学振興会 認定心理療法士、認定心理カウンセラーの田中詠二こと、えいさんです! 子育て、仕事、人間関係の悩みに、心理学の観点から解決のヒントをお届けします。

「行かないで!」と泣く我が子に、胸が張り裂けそうな時

保育園や学校の門の前で、お子さんの足がぴたりと止まる。 「ママ(パパ)と離れたくない!」と、服をぎゅっと掴んで、大声で泣き出してしまう。

そんな我が子の姿に、後ろ髪を引かれ、胸が締め付けられるような思いをしているお父さん、お母さんは、決して少なくありません。分離不安の悩みを抱える時、相談に来られるのは、ご本人であるお子さんよりも、まず親御さんであることがほとんどです。

「私が無理やり引き離すから、この子を傷つけているんじゃないか…」 そう自分を責めてしまうかもしれませんね。 でも、アドラー心理学の視点で見ると、少し違う景色が広がってきます。

その「涙」の“目的”を知る

アドラー心理学では、子どもの行動には、必ず相手役(この場合は親)に向けられた「目的」があると考えます。

分離不安で泣き叫ぶという行動の目的は、多くの場合、「親との分離を防ぐこと」です。 子どもは、泣いたり、しがみついたりすれば、「親を引き留められるかもしれない」ということを、過去の経験から学習しています。これは、子どもが親をコントロールしようとする、無意識の戦略なのです。

この時、親が「かわいそうに」と一緒に悲しんだり、「あと5分だけね」と要求を飲んだり、逆に「いい加減にしなさい!」と感情的に怒鳴ったりしてしまうと、子どもの「この戦略は有効だ」という信念を、かえって強めてしまうことになります。

親の課題は「淡々と、信頼して手放す」こと

では、親はどうすればいいのでしょうか。 アドラー心理学の臨床では、このような時、親御さんには「お子さんの癇癪や涙に乗っからず、淡々と対応すること」をお願いしています。

これは、冷たく突き放すこととは全く違います。

まず、愛情をしっかりと伝えます。「大好きだよ」「いつもあなたのことを考えているよ」と。 そして、毅然とした態度で、約束を伝えます。「〇時に必ず迎えに来るからね」と。 その後は、先生にバトンタッチして、穏やかに、しかし断固としてその場を去るのです。

これは、親と子の「課題の分離」です。 園や学校で過ごすのは「子どもの課題」。子どもを信頼して送り出すのが「親の課題」です。

親が不安な態度を見せず、淡々と、しかし愛情を持って送り出すことを繰り返すことで、子どもは学びます。 「泣いても、ママ(パパ)は行ってしまう。でも、必ず約束の時間に帰ってきてくれる」と。

この「安心感」と「信頼感」が、子どもの中に「自分は一人でも大丈夫だ」という勇気を育てるのです。

頭ではわかっていても、実行するのは本当に難しいことだと思います。 心が折れそうになったり、自分の対応が正しいのかわからなくなったりしたら、どうか一人で抱えないでください。

カウンセリングでは、親御さん自身の不安な気持ちに寄り添いながら、お子さんの自立を促すための具体的な関わり方を、一緒に考え、練習していきます。 あなたとお子さんが、笑顔で「いってきます」「ただいま」を言える日が来るように、全力でサポートします。

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