カウンセラープロフィール

田中詠二(たなかえいじ)

日本アドラー心理学振興会 認定心理療法士
             認定心理カウンセラー


~変わりたいあなたへ贈る

希望のメッセージ~

はじめまして。心理カウンセラーの田中詠二(たなかえいじ)です。

このページを訪れてくださったあなたは、もしかしたら「自分なんて…」と自信を持てなかったり、周りの目が気になって本当の気持ちを抑え込んでしまったり、そんな生きづらさを感じているのかもしれません。

かつての私も、そうでした。

福岡で生まれた私は、ちょっぴり昭和気質な父と、若くして私を産み、たくさんの愛情を注ぎながらも、きっと手探りで私を育ててくれた母、そして年の離れた二人の弟たちという家族の中で育ちました。

幼い頃:
いつも誰かの顔色をうかがっていた
泣き虫な私

小さな頃の私は、よく泣いてしまう、繊細な子どもでした。周りの大人の表情や声のトーンにとても敏感で、「今、怒っているのかな?」「どうしたら喜んでくれるかな?」と、いつも親の顔色を気にしていたように思います。

「私がこうしたい」という素直な気持ちよりも、「お母さんを困らせないように」「お父さんの期待に応えなくちゃ」ということばかりが、幼い私の中の行動基準になっていたのですね。

本当は甘えたい、もっと自由にはしゃぎたい。そんな気持ちに蓋をして、「良い子でいなきゃ」と自分に言い聞かせていたのかもしれません。

青年期:
「どうせ私なんて」自信が持てず
自分を隠して生きていた頃

小学生になる頃には、「私には取り立てて良いところなんてないな」と、漠然とした自信のなさを感じるようになっていました。

忘れられないのは、父に言われるがままにしていた少し変わった髪型を、友達にからかわれた時のことです。ただでさえ周りの目が気になるのに、その言葉は小さな私の胸に深く突き刺さり、「私は周りと違う、なんだか恥ずかしい存在なんだ」という強烈な劣等感を抱いてしまいました。

学校へ行くのが本当に辛くて、朝になるとお腹が痛くなるほどでした。でも、「髪型のことで学校に行きたくない」なんて言ったら、父を悲しませてしまうのではないか…そう思うと、どうしても言い出せませんでした。

それに、心のどこかで「こんなことで負けたくない」という意地もあったのかもしれません。本当は、みんなと同じように、もっと自分に似合う髪型にしたかった。そのささやかな願いすら、親に伝える勇気が持てなかったのです。

そんな私が、なんとかその場をやり過ごすために見つけ出したのが「ひょうきんさ」でした。わざとおどけてみせたり、面白いことを言ったりすることで、クラスメイトの輪に入れたような、受け入れてもらえたような気がしていました。

でも、それは本当の自分を隠すための仮面のようなもの。「どうせ私なんて」という心の奥底のつぶやきは、消えることはありませんでした。

小中学生の頃は、児童会や生徒会、応援団など、不思議と人前に出る役割を担うこともありました。でも、本当は人前で話すことが怖くてたまらず、いつも心臓がドキドキしていました。

友達に髪型をからかわれた経験や、みんなの前で先生に厳しく叱られた経験が心の傷(トラウマ)となって、「人前に出る=何か嫌なことが起こるかもしれない」と、無意識に感じていたのかもしれません。

大学生になり、バンドでボーカルとしてステージに立つ機会にも恵まれました。今思えば、目立つことへの憧れと、それとは裏腹の「こんな私なんか」という自己否定感。その矛盾の中で、必死にもがいていたように思います。

本当は、「恥ずかしい自分」ではない、違う形で「ここにいてもいいんだよ」と誰かに認めてほしかった。そんな叫びにも似た思いを抱えていたのかもしれません。

大人になり、父の会社で働くようになると、今度はリーダーという立場で、人が思うように動いてくれないという新たな壁にぶつかりました。

「どうすれば、みんながもっと気持ちよく、自分らしく働けるのだろう?」「心地よいチームって、どうしたら作れるんだろう?」そんな悩みを抱え、答えを求めてたくさんの本を読んだり、人の話を聞きに行ったりするようになりました。

人生の兄との出会い:
心がほどけていく温かな繋がり

そんな時、ある取引先の方との出会いが、私の固く閉ざされた世界を少しずつ広げてくれました。

私より少し年上のお兄さんのような存在で、ユーモアにあふれ、知識も豊かで、何より太陽のように明るく大らかな方でした。

その方と話していると、カチカチに凝り固まっていた私の心が、ふんわりと軽くなっていくのを感じました。

彼の言葉や人との接し方、その温かさに触れる中で、「人と繋がるって、こんなにも安心できることなんだ」「もっと自分を大切にしていいのかもしれない」と、少しずつですが、確かにそう思えるようになっていったのです。

父との避けられなかった葛藤:
心の奥底にしまい込んでいた感情

父の会社を継ぎ、代表となった頃、人生を揺るがすような大きな出来事が起こりました。

ずっと心の奥に押し込めてきた父への複雑な感情が、ついに限界を超えてしまったのです。

幼い頃から、父に対して感じていた言葉にできない緊張感。「認めてほしい」という切実な願いと、それに反発してしまう未熟な自分。

会社の代表という立場で父と向き合う中で、そうした長年の感情がぶつかり合い、一時は連絡を絶つという、胸が張り裂けるような辛い決断をしました。

この経験は、改めて人間関係の難しさ、そして家族という繋がりの深さと複雑さを痛感する出来事でした。

葉「ま、いっか」
自分に優しくなるおまじない

人生は、思い通りにならないことの連続です。頑張ってもうまくいかない時、自分を責めてしまったり、完璧を目指しすぎて苦しくなったり…。

そんな時、ふと心に浮かんだ「ま、いっか」という言葉が、私にとって大きな救いとなりました。

「全部を完璧にこなさなくても大丈夫」「うまくいかなくても、そんな時もあるよね」

そう自分に優しく声をかけてあげることで、肩の力がふっと抜け、少しだけ心を落ち着けて物事を見られるようになったのです。

「ま、いっか」は、自分を許し、ありのままの自分を受け入れるための、大切なおまじないになりました。

ラー心理学との出会い:
人生を変えた光

そして父との心の雪解け

人間関係の悩み、リーダーとしての葛藤、そして父との断絶…。いくつもの壁にぶつかり、途方に暮れていた私を救ってくれたのが、アドラー心理学との出会いでした。

「人は経験そのものによって苦しむのではなく、経験に対して『どのような意味づけをするか』によって苦しみが生まれる。そして、その意味づけは自分で選ぶことができる」

この言葉に触れた時、まるで暗闇に光が差し込んだような衝撃を受けました。「私の人生は、過去の出来事や心の傷だけで決まるわけじゃない。『今の私』から、これからどう生きるかを自分で選んでいいんだ!」そう思えた時、心が震えるほどの希望を感じたのです。

今まで感じていた「どうせ私なんて」という自己否定感や、人とうまく関われないという悩みも、実は私自身が、何かを守るために無意識に選び取っていた行動だったのかもしれない。そう気づくことができました。

アドラー心理学の学びは、私の人生における長年の課題だった父との関係にも、温かな変化をもたらしてくれました。

課題の分離」という考え方を知り、父の言葉や行動は父自身の課題であり、私が父の機嫌をうかがったり、父にどう思われるかばかりを気にしたりする必要はないんだ、と気づきました。他人の感情や評価に振り回されず、自分の心を守る術を知ったのです。

そして、「共同体感覚」という、「自分だけでなく、周りの人もみんなで幸せになりたい」という温かい眼差しが、頑なだった私の心を少しずつ解きほぐしてくれました。

父もまた、私と同じように、一人の人間として自分の人生の課題と向き合っている。そう思えるようになった時、長い間連絡を取っていなかった父に、私から「元気?」と、震える手でメッセージを送る勇気が湧いてきました。

アドラー心理学で学んだ「横の関係」(相手を上でも下でもなく、一人の大切な仲間として対等に関わること)を胸に、父を一人の人間として理解しよう、歩み寄ってみようと努めました。過去の辛かった出来事を水に流すのではなく、「今、ここ」から、新しい関係を築いていこうと決めたのです。

そのおかげで、途絶えていた父との間に、少しずつですが、穏やかな対話が生まれていきました。過去の全てが消えたわけではありません。でも、お互いの気持ちを尊重し合い、関係性を修復し、心からの和解をすることができたのです。

これは、私一人では到底乗り越えられなかった壁でした。アドラー心理学の教えと、それを信じて一歩踏み出す勇気があったからこそ、父との心の距離を縮めることができた。この経験は、私にとってまさに奇跡であり、人間関係に新たな希望の光を与えてくれる、かけがえのない宝物です。

カウンセラー資格取得:
私の経験があなたの「変わりたい」に

寄り添う光となるように

アドラー心理学を深く学ぶほどに、この心理学が持つ力、そして私自身の人生が、特に父との関係修復という大きな変化を通してどれほど救われたかを、身をもって実感しました。

かつての私のように、人間関係や過去の経験に縛られ、自信を失い、前に進めずにいる方がいるのなら、このアドラー心理学がもたらす希望の光を伝えたい。私の経験が、あなたの「変わりたい」という気持ちを後押しする、小さなヒントになるのなら、こんなに嬉しいことはありません。

そんな思いから、日本アドラー心理学振興会認定心理カウンセラー、そして認定心理療法士の資格を取得しました。

私のこれまでの道のりが、今度はあなたの心をそっと照らし、あなたらしい笑顔を取り戻すための一歩を踏み出す、小さな勇気となれば、これ以上の喜びはありません。

もしあなたが、今、少しでも生きづらさを感じているのなら、一人で抱え込まずに、そのお気持ちを話してみませんか? あなたの中にも、きっと、自分らしい生き方を見つける力があることを、私は信じています。