日本アドラー心理学振興会 認定心理療法士、認定心理カウンセラーの田中詠二こと、えいさんです！ 子育て、仕事、人間関係の悩みに、心理学の観点から解決のヒントをお届けします。
「To-Doリスト」に、押しつぶされていませんか？
手帳やスマートフォンのアプリに、びっしりと書き込まれた「To-Doリスト」。 仕事のタスク、家のこと、自己啓発、人付き合い…。私たちの「やるべきこと」は、増える一方です。 一つ消しても、また新しいタスクが二つ増える。まるで、無限に続くモグラ叩きのよう。 そして、「このリストをすべてこなさないと、自分はダメな人間だ」と、常に何かに追われ、心が休まる時がない。
この、果てしない「やることリスト」は、本当にあなたを幸せにしているでしょうか。 むしろ、あなたから心の余裕と、本当に大切なことを見つめる時間を、静かに、しかし確実に、奪ってはいないでしょうか。
人生の“引き算”が、あなたを自由にする
私たちは、人生を豊かにするためには、何か新しいスキルを身につけたり、新しい経験をしたりと、「やること」を足していく“足し算”ばかりを考えがちです。 しかし、アドラー心理学は、時に、**不要なものを手放していく、“引き算”**こそが、私たちを本当の自由へと導いてくれる、と教えます。
そこで、あなたに新しい習慣を提案します。 それは、「やめることリスト（Not-To-Do List）」を作ることです。
「やめる」という行為は、決してネガティブな「諦め」や「逃避」ではありません。 それは、「自分の人生にとって、本当に大切なことは何か」を真剣に見極め、そこに自分の貴重なリソース（時間、エネルギー、お金）を集中させるための、極めて主体的で、戦略的な“決断”なのです。
あなたの「やめることリスト」、一緒に作ってみませんか？
では、あなたの人生から、「やめること」を、いくつか見つけてみましょう。
- やめること候補１：「他者の課題」に、首を突っ込むのをやめる
- 例えば、「機嫌の悪い、あの人のご機嫌を取ろうとすること」「頼まれてもいないのに、人の仕事に口を出したり、過剰に手伝ったりすること」。
- これは、「課題の分離」の実践です。他人の課題を背負い込むのをやめるだけで、あなたの肩の荷は、驚くほど軽くなるはずです。
- やめること候補２：「すべての人」に、好かれようとするのをやめる
- 例えば、「気の進まない飲み会や集まりに、無理して参加すること」「SNSで、人間関係を維持するためだけの、義理の『いいね！』を押して回ること」。
- これは、「承認欲求」からの脱却です。嫌われる勇気を持ち、あなたにとって本当に大切な人との、深く、豊かな関係に、あなたの時間を使いましょう。
- やめること候補３：「完璧」を目指すのをやめる
- 例えば、「すべての家事を、100点でこなそうとすること」「資料を、一字一句、完璧になるまで、いつまでも修正し続けること」。
- 「不完全である勇気」を持ちましょう。60点でいいから、まずは終わらせる。完璧主義を手放すことで、新しい挑戦への一歩が、ずっと軽やかになります。
- やめること候補４：「過去」を悔やみ、「未来」を憂うのをやめる
- 例えば、「あの時、こうしていれば…」と、変えられない過去を嘆くこと。「もし、～になったらどうしよう…」と、コントロールできない未来を不安に思うこと。
- 「今、ここ」に集中しましょう。私たちにできるのは、「今」の行動だけです。過去や未来という、どうにもならないことで、心のエネルギーを浪費するのをやめるのです。
“余白”が生み出す、本当の豊かさ
「やめることリスト」を実践すると、あなたの生活に、「余白」が生まれます。 最初は、その「何もしない時間」に、不安や罪悪感を感じるかもしれません。 しかし、その余白こそが、あなたが本当に「やりたいこと」や、人生の新しい「目的」を見つけるための、最も大切な空間なのです。
「やめる」勇気は、あなたを怠惰にするのではありません。 それは、あなたを、他人の価値観や、意味のないタスクから解放し、あなた自身の人生を、あなた自身の意思で創造していくための、本当の“自由”を与えてくれるのです。
「やめる」ことに、強い罪悪感や、周りから取り残されるような恐怖を感じてしまう。何をやめて、何を残すべきか、その優先順位が、自分一人では決められない。そんな風に悩んでしまうこともあるでしょう。
カウンセリングでは、あなたがなぜ、やらなくてもいいことまで、必死で背負い込んでしまうのか、その背景にあるライフスタイルを安全な空間で一緒に探求します。そして、あなたの人生にとって、本当に大切なものを見極め、不要なものを手放す「勇気」を、伴走者としてサポートさせていただきます。
初回カウンセリング（オンライン）はこちらからお申し込みいただけます。
お会いできるのを楽しみにしています。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。 LINE公式アカウントでは、今後も皆さんの日々の悩みに役立つヒントを配信していきます。ぜひ、友だち追加をしてくださいね。
コメント