日本アドラー心理学振興会 認定心理療法士、認定心理カウンセラーの田中詠二こと、えいさんです！ 子育て、仕事、人間関係の悩みに、心理学の観点から解決のヒントをお届けします。
あなたは今、どんな“ゲーム”に参加していますか？
私たちの多くは、無意識のうちに、人生を一種の「サバイバルゲーム」や「椅子取りゲーム」のように捉えてしまってはいないでしょうか。
他人はすべて、自分を蹴落とそうとする「敵」であり、限られた資源（地位、名誉、富、愛）を、奪い合わなければならない。弱さを見せれば、すぐに脱落させられてしまう。 この「競争ゲーム」に参加し続けている限り、私たちの心に、本当の意味での安心や、穏やかな喜びが訪れることはありません。常に周りを警戒し、心をすり減らし、たとえ一時的に勝ったとしても、その山頂で待っているのは、さらなる競争へのプレッシャーと、孤独な風が吹き抜ける、虚しい景色だけなのです。
アドラーが提案する、全く新しい“ゲーム”のルール
しかし、もし、人生が全く違うルールのゲームだとしたら、どうでしょうか。 アドラー心理学は、私たちに、新しい人生の捉え方を提案します。 それは、人生を「壮大な“協力ゲーム”」として、捉え直すことです。
【協力ゲームのルール】
- 他人はすべて、敵ではなく、共に、より良い世界を目指す「仲間」である。
- ゲームの目的は、誰かを打ち負かすことではなく、共同体全体を、より豊かにしていくこと。
- 一人ひとりが、違う役割を持ち、その違いを活かし合うことで、一人では到底クリアできない、大きな課題に挑戦できる。
- そして、このゲームの本当の喜びは、勝利の瞬間にではなく、仲間と協力している、そのプロセスそのものにある。
このゲームには、敗者はいません。 貢献したすべてのプレイヤーが、「自分は、このゲームの役に立っている」という、最高の報酬（幸福感）を、手にすることができるのです。
あなたの“役割（キャラクター）”を見つけるヒント
では、この壮大な「協力ゲーム」の中で、あなたはどんな役割を果たせばいいのでしょうか。 大切なのは、「勇者」や「魔法使い」のような、派手で、目立つ役割を目指す必要は全くない、ということです。ゲームには、回復役も、支援役も、情報収集役も、様々な地味だけれども、不可欠な役割が必要です。
- あなたの“当たり前”は、誰かの“ありがとう”かもしれない あなたが、何の苦もなく、ごく当たり前にできてしまうことは何ですか？（例えば、人の話をじっくり聴くこと、計画を立てること、場を和ませること…） それは、他の誰かにとっては、とても難しく、喉から手が出るほど欲しい能力かもしれません。あなたの「当たり前」こそが、あなたのユニークな貢献の形なのです。
- あなたの“弱さ”は、誰かを“勇気づける”役割かもしれない あなたが抱えるコンプレックスや、過去の失敗談。それを、勇気をもって仲間に開示すること。それは、同じように悩む仲間を「一人じゃない」と勇気づけ、二人の間に、本当の信頼の橋を架ける、かけがえのない役割になるのです。
さあ、ゲームに参加しよう。まずは、隣の“仲間”に話しかけることから
壮大な役割を、今すぐ見つける必要はありません。 この「協力ゲーム」に参加するための、最初の一歩は、驚くほどシンプルです。 それは、「今、ここにいる、目の前の仲間に関心を持ち、自分から貢献を始めること」。
職場で、困っている同僚に「何か手伝えることはある？」と、勇気を出して声をかけてみる。 家庭で、パートナーに「いつもありがとう」と、当たり前になっていた感謝を、改めて言葉にして伝えてみる。 友人との会話で、自分の話をするのではなく、相手の話を、世界で一番面白い物語を聴くように、心から楽しんで聴いてみる。
あなたが、たった一つの「貢献」というアクションを起こした瞬間、あなたは、孤独なサバイバルゲームの観客席から降り、仲間と共に未来を創る、壮大な協力ゲームの、誇り高きプレイヤーになるのです。
どうしても、他人を「敵」や「ライバル」としか見ることができない。自分には、このゲームで果たせる役割（貢献）など、何もないように感じてしまう。そんな風に、一人で悩んでいませんか。
カウンセリングでは、あなたがなぜ「競争ゲーム」から降りられないのか、その背景にあるライフスタイルを探求し、他者を「仲間」として信頼する勇気を取り戻すためのお手伝いをします。そして、あなただけのユニークな「役割」を見つけ出し、この、どこまでも続く「協力ゲーム」に参加する喜びを、一緒に見つけていきましょう。
初回カウンセリング（オンライン）はこちらからお申し込みいただけます。
お会いできるのを楽しみにしています。
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