日本アドラー心理学振興会 認定心理療法士、認定心理カウンセラーの田中詠二こと、えいさんです! 子育て、仕事、人間関係の悩みに、心理学の観点から解決のヒントをお届けします。
「選ばれる私」にならなければ、という苦しい“就活”
プロフィール写真を何度も撮り直し、少しでも良く見せようと必死になる。 相手の好みに合わせようと、本当は興味のない趣味の話に、無理に笑顔で頷く。 メッセージの返信一つに、何時間も頭を悩ませて、送った後も、相手の反応が気になって仕方がない。 そして、うまくいかなかった時には、「自分には、人間的な魅力がないんだ」と、全人格を否定されたかのように、深く傷ついてしまう。
いつの間にか、恋愛や婚活が、まるで自分という商品を売り込み、相手から内定(=選ばれること)をもらうための、苦しい“就職活動”のようになってはいませんか。 人生で最も幸せなはずの営みが、なぜ、こんなにも苦しいものになってしまうのでしょうか。
その苦しみは、「縦の関係」から生まれる
その理由は、あなたが無意識のうちに、相手との関係を**「縦の関係」**で捉えてしまっているからです。
- 相手を、自分を評価する「審査員」と見なす。
- 自分を、相手から選ばれるべき「商品」と見なす。
この「上か下か」「選ぶか選ばれるか」という、勝ち負けの論理の中にいる限り、私たちは常に相手の評価に怯え、自分を偽り、断られることを恐れて、本当の意味で対等な関係を築くことはできません。
「選ばれる」から「選ぶ」へ。そして「協力する」仲間を見つける
この、苦しいゲームから降りるための、根本的な視点の転換があります。
ステップ1:「課題の分離」で、評価の呪縛から自由になる まず、「相手が、あなたを好きになるかどうかは、100パーセント相手の課題」である、という事実を受け入れましょう。あなたがコントロールできないことで、悩むのをやめるのです。
ステップ2:「選ばれる私」ではなく、「私が選ぶ」という、主体性を取り戻す 「どんな人に、自分は好かれるだろうか?」ではなく、「自分は、どんな人と、人生を共に歩みたいだろうか?」と、問いの主語を、あなた自身に取り戻しましょう。あなたは、審査されるだけの存在ではなく、相手と同じように、人生のパートナーを「選ぶ」権利を持った、対等な存在なのです。
ステップ3:そして、究極のゴールは「協力する仲間」を見つけること アドラー心理学における「愛のタスク」とは、相手を支配したり、依存したりすることではありません。 それは、人生という、時には困難な旅を、手を取り合って、共に歩んでいける、「最高の仲間」を見つけることなのです。評価や勝ち負けではなく、「協力」こそが、あなたが目指すべき、本当のゴールです。
愛のタスクに踏み出すための、3つの“勇気”
では、具体的にどうすれば、この「協力のパートナーシップ」を築けるのでしょうか。
1.「不完全な自分」でいる勇気(自己受容) 完璧なプロフィールも、非の打ち所のない経歴も必要ありません。「欠点だらけの、ありのままの自分」で、相手の前に立つ勇気を持ちましょう。その不完全さこそが、あなたの人間的な魅力となり、相手に安心感を与えるのです。
2.「見返りを求めず、貢献する」勇気 「この人は、私に何をしてくれるだろうか?」と期待するのをやめ、「自分は、この人の人生に、どんな喜びや安らぎを、貢献できるだろうか?」と考えてみましょう。その貢献感こそが、揺るぎない自信と、関係の健全な土台を築きます。
3.「傷つく可能性」を引き受ける勇気 課題の分離をしても、断られることはあります。関係が終わることもあります。しかし、その傷つくリスクを引き受けてでも、対人関係に踏み出すこと。それこそが、生きるということそのものなのです。
恋愛や婚活とは、あなたの価値を証明するための、恐ろしいテストではありません。 それは、人生という名のダンスを、これから先、ずっと一緒に踊ってくれる、たった一人のパートナーを探す、勇気と喜びに満ちた、素晴らしい冒険なのです。
恋愛や婚活で傷つき、もう一歩を踏み出すのが怖い。わかっていても、相手からの評価が気になって、自分らしく振る舞えない。そのお気持ち、よくわかります。
カウンセリングでは、あなたがなぜ「愛のタスク」を恐れてしまうのか、その背景にある劣等感やライフスタイルを安全な空間で一緒に探求します。そして、「縦の関係」の苦しい恋愛ゲームから降り、あなたらしい「横の関係」のパートナーシップを築いていくための具体的な勇気づけを、伴走者として行います。
初回カウンセリング(オンライン)はこちらからお申し込みいただけます。

お会いできるのを楽しみにしています。
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