「あの人が変わってくれれば…」から抜け出す方法

日本アドラー心理学振興会 認定心理療法士、認定心理カウンセラーの田中詠二こと、えいさんです! 子育て、仕事、人間関係の悩みに、心理学の観点から解決のヒントをお届けします。

「あの人の、こういうところが本当に許せないんです!」

カウンセリングでは、こうした人間関係のお悩みをよくお伺いします。私も会社を経営しているので、職場での人間関係の難しさは本当によく分かります。

例えば、部下のAさんは、同じチームのBさんに対してずっと不満を抱えていました。「Bさんは仕事が遅いし、ミスをしても謝らない。Bさんがもっとちゃんとしてくれれば、チームはうまくいくのに…」。

私たちはつい、問題の原因を相手に求めてしまいます。「あの人のせいで、私はイライラする」と。これは、過去や他者に原因を求める「原因論」的な考え方です 。

しかし、アドラー心理学では「目的論」という視点をとります 。つまり、「イライラする」という感情にも、実は自分にとっての(無意識的な)目的がある、と考えるのです 。

Aさんの場合、「Bさんのせいにする」ことで、「Bさんと直接向き合って、伝え方などを工夫する」という、より困難な課題を避ける、という目的があったのかもしれません。

◆あなたの課題はどこから?

ここで大切になるのが「課題の分離」です 。 Bさんが仕事でミスをする、謝らない。これは「Bさんの課題」です 。一方で、それを見てイライラしたり、不満を抱えたりするのは、紛れもなく「Aさんの課題」です 。

私たちは、他人の課題を変えることはできません。できるのは、自分の課題、つまり自分の捉え方や行動を変えることだけです 。これを「人生は自分で決められる」という「個人の主体性」と呼びます 。

「Bさんが変わってくれれば…」と願っているうちは、自分の人生のハンドルを他人に明け渡しているのと同じです。

◆では、どうすればいいのか?

まずは、自分の課題に集中すること。Aさんなら、「Bさんを責める」のではなく、「どうすればBさんと協力して仕事を進められるか?」という「共同の課題」として捉え直してみる 。

例えば、

  • 仕事の頼み方を工夫してみる
  • ミスが起きにくい仕組みを一緒に考えてみる

こうした行動は、相手をコントロールするためではなく、自分にできる貢献を考える、ということです。

このような人間関係のパターンは、あなたが10歳頃までに無意識に決めた人生の設計図、「ライフスタイル」が影響していることがよくあります 。

もし、あなたが同じような人間関係の悩みで何度もつまずいているとしたら、それはあなたの「ライフスタイル」を見直すサインかもしれません。

カウンセリングでは、あなただけの「ライフスタイル」を紐解き、より楽な人間関係を築くための「勇気づけ」を行っています。一人で抱え込まず、ぜひ一度お話を聞かせてください。

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